月刊『秘伝』2026年11月号「秘伝ジャーナル」掲載原稿をWEB転載
掲載:月刊『秘伝』2026年11月号(BABジャパン)
発売日:2026年10月14日
寄稿:国際居合道連盟 鵬玉会
本稿は、月刊『秘伝』2026年11月号(BABジャパン)「秘伝ジャーナル」に掲載された寄稿原稿をもとに、WEB掲載用として一部加筆・修正したものです。
2026年7月4日、横浜武道館において「斬-ZAN- オープントーナメント 第10回全日本居合道選手権大会 自由組太刀」を開催しました。
本大会は、自由組太刀®の全国大会として第10回という節目を迎えるとともに、塩川・新名伝 無外流 第17代宗家継承の儀が執り行われた、歴史的な大会となりました。
全国各地から多くの選手・会員が集い、多数の来賓、観客が見守る中、競技と宗家継承という二つの大きな節目を迎える一日となりました。

新名玉宗宗家より免許皆伝を授与
開会に先立ち、先代宗家・新名玉宗先生より武田鵬玉へ免許皆伝が授与され、あわせて塩川・新名伝 無外流 第17代宗家継承の儀が厳粛に執り行われました。
新名玉宗先生は、第15代・塩川寶祥宗家より免許皆伝を受け、無外流明思派宗家を務められた人物であり、その系譜上、無外流第16代にあたります。
このたび武田鵬玉は、新名玉宗先生より免許皆伝を授かるとともに、その道統を正式に継承し、塩川・新名伝 無外流 第17代宗家として新たな一歩を踏み出しました。
流祖・辻月丹以来、約350年にわたり受け継がれてきた無外流の精神と技が次代へと受け継がれる歴史的な瞬間となり、会場は大きな拍手に包まれました。


次代を担う指導者へ允許
同日には、安村凰玉への錬士七段允許、箕輪朱翼への奥入書授与も行われました。
宗家継承だけではなく、次代を担う指導者への允許が行われたことにより、この日は塩川・新名伝 無外流にとって、未来を見据えた新たな出発点ともなりました。


第10回全日本自由組太刀選手権大会
競技では、一般男子、一般女子、マスターズ、新人戦の各部門で熱戦が繰り広げられました。
一般男子の部では箕輪朱翼選手(神奈川)、一般女子の部では樋口陽子選手(埼玉)、マスターズの部では鈴木晃二選手(神奈川)がそれぞれ優勝。
新設された新人戦でも、多くの初出場選手が全国大会という舞台で堂々と戦い、日頃の鍛錬の成果を発揮しました。

形・約束組太刀・自由組太刀®・試し斬り――「四位一体」の修行
鵬玉会では、
形
約束組太刀
自由組太刀®
試し斬り
を**「四位一体」**として稽古体系を構築しています。
その根底にある考えは、極めて単純です。
「自分が斬られずに斬る」
形で刀法を学ぶ。
約束組太刀で、相手との間合い、拍子、攻防の考え方を学ぶ。
自由組太刀®で、予定どおりに動かない相手を前にして、古伝の技が本当に働くのかを検証する。
そして試し斬りによって、自分が正しいと思っている刀法が、本当に斬れる動きになっているのかを確かめる。
この四つは、それぞれ独立した修行ではありません。
斬ってみるから、形の誤りに気づく。
戦ってみるから、間合いと拍子が知識ではなく技としてわかる。
そこで得た答えを、もう一度、形へ戻す。
その循環によって、無外流の技を磨いていきます。

自由組太刀®という実戦検証
自由組太刀®は、居合をスポーツ化するために生まれたものではありません。
古伝の技と哲学が、予定どおりに動かない相手にも本当に通用するのか。
その問いを、言葉だけで終わらせず、実際の攻防の中で確かめるための稽古体系です。
武田鵬玉は、13歳で極真空手に入門し、約50年にわたり武道の修行を続けてきました。
極真空手で学んだ、技を実戦へ直結させるための稽古メソッド。
そして、新名玉宗宗家の直弟子として20年にわたり学んだ無外流。
その二つが結びつき、自由組太刀®という独自の稽古体系へと発展しました。

木村匡也氏が大会を進行
当日は、「ちびまる子ちゃん」「芸能人格付けチェック」などで知られるナレーター・木村匡也(きむらきょうや)氏が司会進行を担当しました。
武道大会としての厳粛な雰囲気を保ちながらも、競技の魅力や見どころを来場者へ分かりやすく伝え、大会を大いに盛り上げました。
海外へ広がる無外流
近年、鵬玉会には海外からの関心も急速に高まっています。
2025年には年間844名の外国人が鵬玉会を訪れ、無外流居合を体験しました。
また、オンライン稽古による国内外への指導も行い、日本国内にとどまらず、世界へ無外流を伝える活動を進めています。
鵬玉会は、無外流の技そのものを現代化しようとしているのではありません。
古伝を正しく伝え、検証し、国内外へ届けるための方法を現代化しています。

新たな歴史の始まり
第10回大会と宗家継承。
二つの大きな節目が重なった2026年7月4日は、塩川・新名伝 無外流にとって、新たな歴史の始まりとなりました。
流祖・辻月丹の志を受け継ぎ、日本の伝統武道としての無外流を次代へ継承する。
そして、その技と精神を国内外へ伝えていく。
宗家から次代へ。
日本から世界へ。
塩川・新名伝 無外流の道統を、未来へとつないでいきます。
国際居合道連盟 鵬玉会
























