鵬玉会だけが自由組太刀
塩川寶祥は敵機を18機撃墜したエースパイロット
実戦をうけつぐ居合!無外流の自由組太刀は鵬玉会でしか行えない!
「形」「組太刀」「試し斬り」
そもそも居合には、「形(かた)」「組太刀(くみたち)」「試し斬り」(抜刀道の影響がある流派は試斬(しざん)と言うところが多いようですが、新名宗家の指示で鵬玉会は試し斬りと称します)の3つの要素があります。
組太刀をしない、試し斬りをしない、という流派・会派・組織も多いようですが、これは組織の長の得手・不得手によるところが大きい、というのが実情です。
実戦の人塩川寶祥宗家の系譜
無外流明思派である鵬玉会は、敵機を18機撃墜したエースパイロットである故塩川宗家、新名宗家の系統。実戦を知った人の流派なので、無外流の形の初太刀、つまり各形の抜き打ちでの試し斬りができなければ、既定の段位の受審資格になりません。
要するに「斬れない人は昇段できない」という厳然たる壁があります。
だからみんな試し斬り稽古をします。
組太刀は、後述の自由組太刀に対し、鵬玉会では形として残っている組太刀を「約束組太刀」と呼びます。お互いに決まった動きをするからです。
「自由組太刀」
「約束組太刀」は形です。これで無外流の考え方、動きをからだに覚えさせたら、これを自由自在に使えるよう、ステップを踏みながらフリーで戦う組太刀に挑戦するのが「自由組太刀」です。
古の剣客が、出会いざまに「敵だ」と認識して戦う。そのとき刀はまだ鞘の中に納まったまま。この状態から抜けるか?というところから勝負は始まります。
武道の根幹は強さである。ならば居合の命は「組太刀」と「試し斬り」だ
武道の定義は何か?
それにはたくさんの言い方があるかもしれません。
ただし、はっきりしていることがあります。
本来武道というものはサムライの命のやりとりをする技術であった、ということです。
だから「強さ」を求めるものであるのは間違いありません。
武道の根幹は「強さ」。
だとしたら、居合の命は「組太刀」と「試し斬り」です。
しかし、はっきりしているのは、この場合の「組太刀」は「約束組太刀」ではありません。
約束組太刀がどれだけ鮮やかでも、相手が何をするかをわかっている「形(かた)」であるのは変わりがありません
「自由組太刀」が居合の命であるのは、それが理由です。
「形」も、刃筋やフォーム、抜刀の仕方が正しいかを確かめる「試し斬り」も居合の技術を確かめる要素に過ぎません。
そして、この居合の技術で戦う、自由組太刀をする無外流は、鵬玉会だけなのです。