キューバ大使館後援のパーティーで初演武|安村凰玉が語る「マドンナの鵬玉会」第九回

キューバ大使館後援のパーティーで初演武

安村凰玉が語る

マドンナの鵬玉会【第九回】

居合に憧れながらも、

「これは自分には縁がない。だって女性だし、もう始めるのには遅いだろう」

と思い込んでいた一人の女性がいた。

望んでいたのは、道場の隅で邪魔にならないように刀を振ることだけ。大会も、昇段も、人前での演武も考えていなかった。

その女性は後に、国際居合道連盟 鵬玉会副長、錬士七段・安村凰玉となるのです。

安村凰玉は、なぜ鵬玉会を選び、武田鵬玉の居合を追い始めたのか。

その過激におもしろい第九回のはじまりです。

ゲスト|安村凰玉
インタビュー|田中知博 副長補佐
構成・編集|鵬玉会編集部

安村凰玉
田中知博

登場人物

安村凰玉(やすむら おうぎょく)

国際居合道連盟 鵬玉会副長。錬士七段。鵬玉会草創期に入門し、武田鵬玉の居合を追い続けてきた女性剣士。鵬玉会初の六段となり、2026年7月4日、横浜武道館において錬士七段を允許され、昇段した。

武道専門誌『月刊秘伝』の「女子武道家名鑑」に、女性の居合道家として初めて掲載。NBCのオリンピック特別番組、パナソニックの映像作品への出演など、国内外のメディア出演も多数。

田中知博(たなか ともひろ)

国際居合道連盟 鵬玉会副長補佐。塩川・新名伝 無外流第17代宗家・武田鵬玉の内弟子。宗家のそばで無外流の技と思想を学びながら、鵬玉会の指導と組織運営を支える。

オンラインチーム MUGAI Broadcasting を率い、国内外をつなぐ鵬玉会のオンライン部門を牽引する。本連載では、安村凰玉の大貫禄におびえながら、ときどき命知らずな質問を投げかける聞き手を務める。

まだ自分は「おまけ」だった

田中知博副長補佐(以下、タナカ); さあ! 今回から、大会や審査の話に入るんですよね?

安村凰玉副長(以下、副長); いやあ、そこまで簡単にはいかないよ。

なにせ、簡単には前へ進めない世界だから。

それまでの私は、まだどこかで自分を「おまけ」だと思っていたくらいだし。

タナカ; どういうことですか?

副長; 武田会長がいて、先輩たちがいる。

私はその後ろについて、一生懸命、刀を振っている。

タナカ; そのけなげな一人の女性が、いかにして鬼の副長になったのか。

それが、この「マドンナの鵬玉会」のテーマですが……。

副長; タナカ~!

タナカ; ひええ!

副長; それで十分だったのよ。

何段になりたいとも思っていなかったしね。

もちろん、大会で勝ちたいとも思っていなかった。

人前に立ちたいなんて、なおさら思っていない。

ただ、できなかったことが少しずつできるようになるのが、うれしかった。

タナカ; なんだか驚きました。

同時に、何が副長を変えたのか、それを知りたいです。

副長; そんな私の前に、新しいものが現れ始めたのよ。

タナカ; また小堀さんに、何か言われたんですか?

副長; そうじゃなくて、選択肢が現れたのよ。

やるか。

やらないか。