大会公式コメント

大会への公式コメント 「なぜ実戦の大会が必要か?」そこに居合の未来がある!

 流派を問わず、全国で居合道の普及活動をがんばる皆さま、ようやく海外との交流も新型コロナ以前に戻りました。この間に起こった社会の革新はめざましく、過去と同じようにやっていてはいけないという危機感もお持ちだと思います。
 居合道はそもそも母集団自体が少ない武道です。「次代に継承できないのではないか」という危機感はどの流派・会派にもあろうかと思います。危機感はあっても、その大会が「選手の家族でさえもわからない形勝負」では、一般にはわかりません。ましてや、パワーゲームによる所属組織や選手への忖度があるような勝負になってしまえば、
もはやそれは勝負ではないと言われても仕方ありません。

 そこで、古流最大級の無外流を免許で継承し、その無外流の中でも最大の全国組織である国際居合道連盟鵬玉会では、大会のナレッジとノウハウを活かし、自由組太刀の全日本大会をオープントーナメントとしています。古から連綿と続く居合の各流派が参加できるようにし、ついに8回目を迎えました。

 「居合道の勝負として、自分が斬られずに斬る。」という国際居合道連盟フルコンタクト居合ルールではありますが、誰でも目で見える勝負は、流派や所属組織の枠を超えて競い合うことができます。
 もちろん、国際居合道連盟鵬玉会がこの大会の門戸を全流派・全会派に開くことに躊躇がなかったわけではありません。ここまで大事に育て、私たちの無外流を基本とする自由組太刀の攻防の技術流出のリスクは当然あります。出場選手にとっては「普段は偉そうなことを言っているが、あっという間に斬って捨てられたではないか」と思われる
リスクもあるでしょう。

 しかし、それ以上に重要だと思うのは、次世代への継承、普及活動の拡大の可能性です。

 今世界中に普及されている空手は、世界ではフルコンタクト空手が主流です。どうしてフルコンタクト空手が主流となったのでしょうか。その中心であった極真空手の創始者故大山倍達総裁が、その大会をオープントーナメントとされたからであろうと思います。
 オープントーナメントとすることで、挑戦の門戸が開き、常に技術の向上を生む革新が起こりました。結果、世界中にその種は飛びました。今や「空手」「組手」と言えば、世界ではフルコンタクトの空手、組手を意味しています。
 極真空手が大会の門戸をオープントーナメントとして開いたこと、それが現在の空手の隆盛の主たる要因になったのは間違いありません。
 
 私たちも門戸を開き、流派・会派を超えて未来を見る覚悟をしました。勝負を通じて「居合道を次代に継承するためには、技術の交流を通じた伝統のブラッシュアップが必要だ」という理想を反映する、感動を呼ぶ大会を実現させようではありませんか。

 第8回からその場をアリーナを擁する墨田区総合体育館に場所を移します。ここは500人の観客を迎え入れることができるすばらしい施設です。満席の観客が選手を応援する、居合にはかつてなかった奇跡を実現させようではありませんか。すでに、インバウンドでおつきあいがある旅行会社各社が、この武道の祭典を海外のお客様にご案内くださり、席の争奪戦が始まっています。
 
 新選組三番隊斎藤一隊長を先達で持つ無外流の鵬玉会にとっては、箱館戦争終結155年を追う軌跡の一つでもあります。
 武道の根幹が「強さ」であるなら、居合の命は「組太刀」と「試し斬り」のはず。
 事実上の標準になってしまったものを「デファクトスタンダード」と呼ぶビジネス用語があります。きっと10年後、この組太刀こそ居合の事実上の標準、デファクトスタンダード、「これこそ居合だ」と一般の人が感じるようになっているでしょう。
 この理想に共鳴してくださる流派・会派の方の「第8回全日本居合道 自由組太刀 選手権大会」へのご参加を歓迎いたします。

令和6年3月吉日

第8回全日本居合道 自由組太刀 選手権大会会長
国際居合道連盟鵬玉会会長  武田鵬玉

大会実行委員長 田中知博
大会実行委員会顧問 日野鬼鳳/安村凰玉 

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